2019年12月31日

日本人とは何か

「日本人とは何か」という定義を考えるとき、
私はある印象的な動画を思い出す。
東日本大震災直後、外国人観光客が撮ったもので、
電車の止まった駅から大勢の人々が出てくるものだ。
誰もが街の大型スクリーンを見上げて津波被害を知り、
ショックを受けて大きく騒めく。
しかし電車がもう動かないと分かると決断は早い。
各々目的地に向かって群衆がゆっくりと動き出す。
あれだけの大群衆が居ながらパニックが起きない。
泣き叫ぶ人も走り出す人も大騒ぎする人もいない。
混乱も小競り合いも起きず、静かに黙々と移動する人々。
誰かが先導したわけでもないのに結束し行動する人々。
私にはその動きが、意思を持ったアメーバーのように見えた。

「日本国籍を有している」から日本人なのでは決して無い。
災害時における日本人のこの行動パターンは
日本という国が非常に原始的な、閉鎖された共同体だと
いう事を思い出させてくれる。
西洋から遥かに隔てられた東アジアの端の端、
しかも島国という立地がそれを可能にさせた。
日本では自動販売機が壊されない。
日本では災害時でも強奪が起きない。
これは良く話題にのぼる民意等の問題ではなくて、
もっと原始的な共同体意識のせいだと私は思う。
つまり一個の細胞体が持っている共通認識のような―――
例え普段はバラバラに見えても、危機状態になれば
互いに助け合って生き残ろうとする一個の細胞。

大震災後の瓦礫の中で、
「また、復興しましょう!」と力強く言った男性がいた。
「大和魂」という言葉を聞かなくなって久しいが、
この島国の至るところで同じように、前に向かって歩き出す
人々がいたから日本は何度も復興出来た。
決して大声を上げる事無く、逃げ出す事無く、当然のように
壊れた物を一からまた積み上げていく市井の人々が。

列島を愛し、列島に暮らす。
当たり前だが再認識しよう。
―――この市井の人々こそが「日本人」なのだ。


さて。
2019年は日韓問題に始まり、日韓問題で終わった年でした。
言いたい事や書きたい事はたくさんあったけど、文章に
纏められなくて結局ブログは4月から始める事になりました。
飽きっぽい自分にしては、かなり続いています。
むしろ書きたい事が後から後から出てくるので追い付かない。
世界は実に面白い。
政治にも社会にも興味の無かった人間が、目を見開いてみれば
この世界は何とまあ、玉石混淆である事よ!
言い換えれば、人間とは実に面白い存在であるという事ですね。
そういえば拍手を下さった方がいました。
ありがとうございました!ヾ(≧▽≦)ノワーイワーイ♪
何しろ未だコメントのひとつも貰えない弱小ブログなので、
凄く嬉しかったですOrz
記事を読んで下さった方々、ありがとう御座いました。
また来年もよろしくお願い致します。
良いお年を。



posted by にょん at 23:40| Comment(0) | 日本文化 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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