「違う」と答える気がする。
しかし小国でもないし、途上国でもない。
先進国だが大国かというとちょっと違う気がする。
経済大国という言い回しはあるが、国自体は中規模で
場所が場所だけに古い辺境国の一つではある。
要するに大きなガラパゴス国家なのだ。
「親日派のための弁明」を書いたキム・ワンソブ氏は
日本人が自らの国を「アジアの小さな国で」と言うのを
知って驚いたそうだ。
キム氏はこれがGHQによって戦後植え付けられた自虐的
歴史観によるものだと書いている。
「アジアの小さな国」という認識は私にも長い事あった。
実際、国際社会での日本の存在認識はとても低いように
宣伝されていた時代が長かったと思う。
国内は復興に手一杯で、庶民は外に意識を向ける暇も
お金もなかっただろう。
ようやく国内が落ち着き、華やかになったのは
1970年の万博の頃からだろうか。
日本初の人工衛星おおすみは、1970年2月に内之浦の
宇宙空間観測所から打ち上げられた。
アメリカによって航空機の技術開発を禁じられたため、
その技術を宇宙開発へ、そして新幹線開発へと繋げたのだ。
日本人とは何とも勤勉で努力を惜しまない国民だろうか。
この努力を無に返そうとした民主党政権は恥を知るべし。
おおすみ打ち上げは、私の両親も見に行ったそうだ。
赤ん坊だった自分にはまったく記憶がないのが残念だ。
あの仏頂面した亡き父親が、大喜びしたらしい情景も
見てみたかったと思う。
ところで中共国(特に隣国)では日本はこの30年の間に
滅亡する予定だったらしい。
確かに債務残高 対GDP比は240%、債務残高:1285兆円
(2018年)で巨額である。
しかしいまだにGDPは3位のままで滅ぶ気配は皆無。
ちなみに対外純資産(資産-負債)は2019年で
341兆5,560億円(対前年末比+12兆2,540億円+3.7%)
の世界ぶっちぎり1位である。
このカラクリに関してはたろさの解説が分かりやすい↓
麻生太郎氏による「日本の借金」の解説 (2010年)
https://eco-notes.com/153
さて個人的意見ながら、どこかで同じような意見を
見たので今更ながら書いてみる。
日本は長い間、アメリカに頭を押さえられてきた。
生き残るには協定するか、独自路線を見つけるしか
日本の産業界には道が無かった。
高いが頑丈で耐久力を持つ日本製品は、その良さが
世界に広まるまで時間がかかったのだ。
その間にも世界からは圧力をかけまくられてきた。
特に急成長した時代は酷かった。
アメリカは自国を脅かす相手を絶対に許さないからだ。
ここで日本の成長は緩やかになった。
中国に席を譲り、遥かに退くことで摩擦をさけた。
GDP3位は実においしいポジションである。
近づきでもなく、離れすぎでもない。
これは故意か、単なる偶然か?
取り合えず日本が安定した位置を手に入れたのは
確かである。
停滞しながらも隙間を縫うように技術革新を続け、
シュア率100%を持つニッチ産業があったりする。
この国は呆れるほどにガラパゴスだ。
日本人は大人しいと言われる。
その大人しい日本人が大戦では残虐非道に、
言い方を変えれば勇猛果敢に戦った。
国民性が1世紀ほどでそうそう変わるものだろうか?
おそらく変わるものでは無い。
中国では「群れで逃げる時は全員一方向に逃げるので、
日本人は犬、中国人は全員ばらばらに散るので、豚」
と言われているらしい。
ちょっと分かる気がする。
では今の日本人は眠った振りをしている犬だろうか。
……いずれ鎖を千切って走り出すその時まで。
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