■徳島発の移動スーパー、ローテクの高齢者支え拡大
国がハイテク起業促すなか
(BBC)
引用元
https://www.bbc.com/japanese/video-62628715
注文は口頭で運転手が受けており、日本政府が成長と
起業を促そうと躍起になっているハイテク分野とは
縁遠いようにも思える(同)
実に興味深い動画と記事だった。
役所から委託を受けて、移動販売をやっている
知人がいるので、特に色々考えさえられた。
聞くとやはり現場は過酷だそうだ。
今年は特に暑さが尋常ではないのに、
駐車場所は決まっていて炎天下の空き地だったりする。
お客も販売側もしんどいので、せめて木陰に変えて
欲しいと申請したが「その場所で許可を取ったので
変更は出来ない」という返事だったとか。
「役人は高齢者のことなんか全然考えていない」
知人は憤慨していたが、まさにお役所仕事といえる。
しかし高齢者は町の外れから歩いてきてくれる。
炎天下の中、車が着くまで待っていてくれる。
知人は顔の見えない常連客がいたりすると、
その家まで声掛けに出向くそうだ。
特に一人暮らしの高齢者には注意しているのだとか。
コロナの影響で連れ合いが入院しても、
見舞にいけない状況のため、
過疎地では引篭ってる高齢者が多いのが現状なのだ。
「移動販売車は福祉の一環も担っている」という
知人の話には現場ゆえのリアリティがある。
日本は超高齢化社会なので、国の目指すハイテクでは
なく、アナログ分野で企業が伸びるのは当然だろう。
なぜわざわざ「注文を口頭で運転手が受け」るのか。
「ネット注文すれば楽でいいじゃん」
これはそう簡単に切り捨てられる話ではない。
なぜならそこに日本の抱える大きな問題が潜んでいる。
知人の携帯には高齢者からの電話注文がかかってくる。
「あれと~これと~……○○って持ってこれる?」
横で聞いているとまどろっこしくて仕方ないが、
「相手は他人と電話で喋るのが楽しみなの。
だから話の腰を折らずに聞いてあげるのがポイントね」
話すのが楽しい、他人と接するのが嬉しい。
そう、最大の高齢者問題は多分ここにある。
「高齢者の孤独」だ。
御主人が長期入院してる上、コロナで見舞にもいけず、
「手紙を書いて看護婦さんに渡してきた」という話を
聞くと他人事ながら胸が詰まる。
「生い先短いのに伴侶に会えないのは辛い」と。
人間は他者との関わりなしでは脆い存在だ。
だがその他者は人間でなくてもいいのではないか?
動物でもいいが生物は高齢者に荷が重い場合もあろう。
その代わりに「ロボット」はどうだろう?
日本と言う国は「万物に命が宿る」という信仰があり、
人形供養をしたり、アイボの葬式をしたりする。
無生物にそれほど拒否感のない国民性だと思うのだ。
昔、オリエント工業の超高額なラブドールを、
「娘」としてお迎えした老夫婦の話を読んだことがある。
なんて馬鹿なことをと嗤いますか?
私は素敵なことだと思いました。
「心の安らぎを得た」という購入者の気持ちが分るから。
ハイテクというと情報通信ばかりが持て囃されるが、
日本政府はそういう分野をもっと支援すればいいと思う。
介護用品にもあるがまだまだ高額すぎるし。
ロボット分野で日本はすでに実績を持っているのだから、
小さな介添えロボットを普及させて貰いたい。
その子はきっと高齢者の孤独を癒してくれるし、
いざという時の緊急システムも担うだろう。
それこそがまさしく「新しきものと古きもの」が混在する
日本と言う国の真骨頂ではないだろうか。
2022年08月29日
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