2019年08月09日

島津家の退路 小学生がたどる

歴史的速報様の記事より。
鹿児島の小学生が、岐阜県と滋賀県にまたがるおよそ70キロの戦跡を
踏破したそうです。
元ソースの関西NEWSより↓

 島津家の退路 小学生がたどる

この行事は、関ヶ原の戦いで敗れた島津義弘とその部下たちが鹿児島に
戻ったルートをたどることで先人の苦労を学ぼうと、
島津義弘ゆかりの鹿児島県日置市の子どもたちが昭和35年から
毎年行っているもので、ことしは小学生17人が参加しました。

(引用ここまで)

えーそんな行事があったとは!
すいません、県民人ながら知りませんでした(汗)
妙円寺詣りとかはよく知られてますけど。
昭和35年て!
随分昔からやってる行事なんですねー。
こんな風に歴史が継承されていってるとは感慨深いものがありますね。
しかし夏休みとは言え、この糞暑い中こんな行軍して大丈夫かしら?
山中だから少しは涼しいのかな?
コメ欄にあったのですが↓

今も地元では島津越えと言われる峠付近は、結構舗装化が進んでる。

……そうで、あっ、やっぱり向こうじゃ島津越えって呼ばれてるんだw
正式には五僧峠ってとこだそうです。
こういう地元情報は面白いですね。
もうひとつ、コメ欄にあった面白いもの↓

ちなみに島津勢はバラバラに逃げたので、伝承のある退路があちこちにある。
ついでに捨て奸は後世の創作。
島津義弘は本陣に影武者に長寿院盛淳と兵の大半を置いて南宮山方面にこっそり逃走。
南宮山から撤収して来た長束正家の案内もあって無事に大阪へ逃れ
そこから立花宗茂の船で妻と一緒に薩摩へ戻った。
残された義弘の配下の将兵は自力で頑張って逃げて来たので
それが各地に伝承として残っている。
余談だが別の陣にいた島津豊久の行動や消息は一切知られておらず、
島津家としては「帰って来ないから死んだんじゃね?」という扱いにしている。

お豊~~~!
ゲンジバンザイ!(ドリフターズ脳v)
映画や書籍とかの島津のイメージだと「兵一丸となって敵中突破」な絵図だけど
普通に考えたら負け側はバラバラに逃走だよねェ。
それでもちゃっかり井伊直正と松平忠吉には、逃げつつも傷を負わせてるあたりが
(鬼)島津クオリティというべきでしょうか。
ま、島津の本領は戦後処理にあったと言ってもよく、
最南端の僻地という土地の利を生かして徳川と外交合戦を繰り返し
西軍ながらお咎め無しに持ち込んだ事でしょう。
幕末の斉昭公といい、薩摩は割とそういう外交技術は得意だったみたいですね。
エゲレス艦隊と喧嘩始めるほど血の気が多いのに、妙に冷静なところがある。
釣り野伏せとかもそうですね。
ただ突っ込むだけの脳筋には出来ない事ですから。






posted by にょん at 06:00| Comment(0) | 薩摩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月17日

かごっまと男尊女卑

16日は父の日でしたね。
私も亡き父の事をあれこれ思い出しておりました。

鹿児島は九州でも特に男尊女卑が激しい県だとされています。
男女の給料格差が凄いんですよ。
今は全国的な意識改革が入ってきて、ちょっぴり改善された気はしますが、
それでもまだまだ全国平均には届かない。
2017年の平均年収が男性438万、女性310万です。
凄い開きですね、残念なお話です。
ちなみに平均年収ランキングでは47県中42位。
鹿児島どんだけ貧乏なのー。

で、男尊女卑の話。
薩摩は閉ざされた武家社会で、男性の権力がとても強いお国柄でした。
確か女性の大学進学率がとても低い県だと聞いた事があります。
うちの父なども母に傅れていましたよ。
流石に三歩下がって歩いてはいなかったけど、前を歩く事も無かったと思う。
食事の時も必ず上座に座ってね。
父の夕食は+オカズ1品+晩酌のツマミが付けられていました。
父が箸を付けるまで、子供はいただきますが言えなかったのです。
もちろんお風呂は一番風呂。
特にうちの父は喋らない人だったので、私には子供の頃楽しく父娘で
お喋りした記憶があまりありません。
今ではそんな家庭は骨董品でしょうね。

鹿児島が男尊女卑の国なのは間違いないです。
住んでる人間がしょっちゅう言ってますもん。
ですがここにちょっとした落とし穴がありました。
男性の地位、特に家長のは確かに高い……のですが、
実は母権というものがその上をいく国なのですね。
どんだけ威張った紳士でも、そのカアチャンには逆らえないのです(笑)
特に家内の執務は女性が取り仕切っておりました。
結婚式や葬式とか、力仕事は男性がやるにしても、それ以外は
「細かい事に男は口を出すな」と言われていたもんです。
私の嫁ぎ先など、私の姑の姑が内を取り仕切っていたくらいです。
いや~男性はひ弱ですが、女性はDNAが頑丈なせいか長生きですからね。
昔風の言い方をすると「刀自(とじ)」様です。
家長のおじさんも、この方達には頭があがらなかったご様子。
どこの世界でも「母は強し」だと思うのですが、男は偉いと持て囃されながら
実は尻に敷かれていたのが鹿児島風なんじゃないかな。

鹿児島の女性って強いんですよ。
男性を立てながらも実際は手綱を取っているのが多いと思う。
港町だと特に、男衆が長い航海に出てしまうと、女衆がその代わりをやらねば
ならなかったですからね。
私の母も父の言う事を「はいはい」と従順に聞きながら、
いつの間にか思い通りに事を運ばせていたような気がします。
いまだかって本心を聞いた事はありませんが。






posted by にょん at 21:33| Comment(0) | 薩摩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月10日

「なんこ」懐かしい薩摩の遊び

「なんこ」という遊びをご存知でしょうか?

私が子供の頃、祖父母宅に親戚一同が集まったりすると
大人達はいつもこの遊びをやっていました。

ルールは簡単。
向かい合わせになったら右手を後ろに回し、
手の平の中に3本以内の棒を隠し持ちます。
同時になんこ盤の上に棒を隠して突き出し、
合計何本か互いに言い当てるというゲームです。
当たったら勝ち。
間違っていたら罰として猪口に入った芋焼酎を飲みます。
両方外れたら両方飲みます。

これって薩摩独特の遊びなんですね。
最近知って驚いています。
なんこは「何個」か「南交」が語源らしいですが不明です。

懐かしいですねー。
なんこに使う棒は1㎝角ほどの艶々した15㎝位のやつだった記憶。
無い時はお箸を短くして使っていたと思います。
確か専用の碁盤みたいな「なんこ盤」がありましたよ。
無い時はテーブルの上だったかな。

説明してるサイトさんによると土地によって掛け声は違ってるようですが、
祖父母宅では子供心にも奇声としか聞こえなかったから
多分古い薩摩言葉だったのでしょう。
でも数を当てる時の
 3=あにょ(兄)=ひとつ多いから
 1=おとっ(弟)=ひとつ少ないから
というのは何となく覚えています。
後は普通に本数だった記憶。
0は「おらん!(いない)」だったかなw
後半になるにしたがって酔っ払ってくるから、ほとんど叫んでる……
というか奇声上げてる状態になります。
単純なゲームですけどめちゃ盛り上がるんですよ!

勝利条件は相手がギブアップするか、酔い潰れるかする事。
男の面子?というか、ただの飲み比べ大会です。
宴会芸ですね。
時間が過ぎるごとに酔っ払い共が増えて大騒ぎになります。
でも残念ながら祖父母宅ではこの遊びは男衆限定でねー。
小さな子供と女衆は参加不可でした。
大きなお兄さんは最初の一杯だけ飲んでたような。
(さすがにマズイもんね)

焼酎は湯割りだったと思いますが、芋焼酎は度数が25くらいあるんですよね。
それをお猪口とはいえグイグイ飲むんですから、
余裕ぶっこいてると物凄い事になるんですわw
私の父は寡黙な人でしたが、そんな父が顔を真っ赤にして
ゲラゲラ壊れたみたいに笑っているのを見るのは妙な気分でしたねー。

男衆がそれで大騒ぎしていた間、女衆は食べて喋ってましたし、
子供達は家中を走り回って遊んでいました。
祖父母宅、とても懐かしいです……
昔の家屋って広いですもんね。
人数も多いから布団部屋とかあったなー。
皆でかくれんぼしてました。
昔は囲炉裏とかもあったそうですが、危ないからと潰してしまったそうです。
すぐ下には叔母宅があって、そこには掘りコタツがありました。
飼い猫が二酸化炭素中毒で何匹か死んだそーです(オイオイ)
母が「ねこばかぼしっ」と言ってました。
「猫は馬鹿だから仕方ない」という意味らしいです。

今はほとんど見ませんけど、一段低い板間の賄い場があって
そこで集まりの膳とかを準備してたのを覚えています。
あ、そういえば井戸があったわ、あの家!
夏場に西瓜とトマトを冷やして食べた思い出があります。
井戸の水って本当に冷たいのよね!
祖父母宅は山の中だったので、夏場でも寒い位涼しかった記憶。
寝る時は大きな蚊帳を吊って従兄妹達と寝てました。
それにしても昔ってどこの家でも料理膳は作ってました。
食べる方はいいけど準備する方は本当大変ですよ。
器から膳まで出して仕舞ってですからねェ~
今は本当にいい時代になりましたよ。

祖母はとても優しい人で大好きでした。
でも祖父の記憶はほとんど無いですね…すぐに亡くなってしまったし。
今はもう、その祖父母宅もありません。
思い出のなんこも、懐かしい家も、今はもう遥か記憶の彼方です……









posted by にょん at 08:40| Comment(0) | 薩摩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする